中小警備会社の未来を創る経営者マインドセットとは

2025年8月6日配信

カテゴリ:
営業 育成 警備業界

株式会社船井総合研究所(船井総研)警備ビルメンテナンス経営研究会です。2号警備業を展開する中小企業の経営者向けに、これからの警備業界で生き残り、発展するために必要な経営者マインドセットの重要性と実践手法を徹底解説します。経営課題の突破口となるマインドの転換と成長への具体的アプローチを提示します。

中小警備会社を取り巻く経営環境の変化

近年、2号警備会社を取り巻く事業環境は大きく変化しております。
警備業界全体としては人手不足の深刻化とともに、高齢化の進行が避けられない状況です。
とりわけ中小規模の警備会社では、採用難が業績に直接影響を与える例も増えております。

その背景には、若年層の警備職への関心の低さや、他業種との人材獲得競争の激化が挙げられます。
さらに、交通誘導警備などの業務内容が「きつい・きけん・きたない」といった3Kの印象を持たれがちなことも影響しています。
一方で、インフラ整備や都市再開発の進展により、警備需要そのものは安定して伸び続けております。

こうした需給のアンバランスが生じる中で、単に営業を強化するだけでは継続的な発展は見込めません。
経営者自身が先を見通し、柔軟な発想と革新的な取り組みを持つことが不可欠です。

そのためには、変化に対応できる「経営者マインドセット」の確立が求められているのです。

経営者マインドセットが未来を左右する理由

経営者マインドセットとは、経営者が日々の意思決定や人材育成、組織運営において持つ思考スタイルや価値観のことです。
とりわけ2号警備会社のように、人的資源に大きく依存する業態では、経営者の考え方が社員の行動や社風に強く反映されます。

たとえば、採用活動において「どうせ応募は来ない」と最初から諦めてしまえば、採用手法の見直しや改善も生まれません。
一方で、「今の方法で成果が出ないなら、別の方法で挑戦しよう」と考える経営者であれば、着実に前進できる土壌が育ちます。

また、業界内の「常識」に縛られたままでは、新たな販路や事業の可能性を見落としてしまいます。
マインドセットが未来を左右する最大の理由は、「未来を選ぶのは経営者の意志」であるからです。

ゆえに、変化を恐れず、挑戦に前向きな思考こそが未来を切り拓くカギとなります。

成長する警備会社に共通する経営者の姿勢

近年、成長を続ける2号警備会社の多くには共通点が見られます。
それは、経営者自身が現場経験にこだわりすぎず、俯瞰的な経営判断を重視していることです。

成功する経営者は、1.社員との信頼関係づくりを最優先に考え、2.柔軟な組織運営を行い、3.時代に合わせて戦略をアップデートしています。
また、自ら積極的に学び、外部からの知見も受け入れながら判断する傾向があります。

営業戦略においても、昔ながらの紹介営業だけに頼らず、WebやDXツールを活用した新規開拓にも取り組んでいます。
こうした変化に前向きなマインドが、社員の士気にも好影響を与え、定着率や業績向上にもつながっているのです。

結局のところ、経営者の姿勢が会社全体の成長速度を決定づけるのです。

警備業界の課題を乗り越えるための思考転換

現在の警備業界には多くの構造的課題が存在します。
人手不足、低価格競争、業界のイメージ問題など、多くの経営者が同じ悩みを抱えています。

しかし、これらの課題は一部の企業においてはむしろ「差別化のチャンス」と捉えられています。
たとえば、採用難に悩む中で「外国人材の登用」にチャレンジする企業も増えつつあります。
また、交通誘導警備における業務効率化のために、デジタルツールや無線機器の見直しを行う企業も出てきました。

こうした対応は、単なる思いつきではなく、根底に「何かを変えなければ未来はない」という強いマインドがあります。
つまり、現状に満足せず、自社の強みと弱みを冷静に分析し、変化に挑む姿勢が不可欠なのです。

経営者自身の思考転換が、会社の壁を打破する原動力となります。

自社の「存在意義」を問い直す経営視点

多くの2号警備会社において、経営理念やビジョンが形骸化している現状があります。
しかし、時代の変化に対応するには「なぜこの会社が存在しているのか?」という問いを避けては通れません。

地域社会にとって、警備会社は単なる業務請負業ではなく、「安心と安全を支える存在」です。
この視点を明確に社内外へ打ち出すことが、採用・定着・営業すべての面で優位性をもたらします。

また、「理念経営」を掲げている企業は、社員のエンゲージメントが高く、離職率が低い傾向にあります。
マインドセットの一環として、経営者自身が理念を再構築し、発信し続ける姿勢が求められます。

存在意義を問い直すことは、未来に向けた戦略の礎となります。

現場重視から脱却する戦略的な視座

2号警備会社の多くにおいて、経営者が現場業務に深く関与しているケースが多く見受けられます。
もちろん、現場理解は重要ですが、経営者が現場業務に偏重しすぎると、全体戦略や組織づくりがおろそかになります。

とくに営業や採用、育成といった重要な経営課題は、現場からは見えにくい部分です。
会社の未来を見据えるならば、経営者は「現場を知る人」から「組織を導く人」へと役割を転換する必要があります。

たとえば、人員の配置や採用戦略を感覚で判断するのではなく、数字や実績に基づいて検討することが求められます。
また、顧客ニーズや競合動向を分析し、先回りした提案型営業を設計する視点も重要です。

このように、「全体最適」を意識したマネジメント思考こそ、経営者にとっての戦略的視座なのです。
現場に任せるべき業務は信頼して任せ、自身は経営戦略に集中する意識改革が必要です。

マインドを変えれば、業務の流れも人材の動きも、自然と変わっていきます。

人材育成とマインドセットの相関性

2号警備会社が成長するためには、人材育成が欠かせません。
しかし、ただ教育マニュアルを渡すだけでは、質の高い人材は育ちません。

そこで重要になるのが、経営者自身のマインドセットです。
育成を「コスト」ではなく「未来への投資」と捉える意識があるかどうかが、成果に直結します。

また、育成対象を若手社員に限らず、中堅層や現場リーダー層にまで広げる視点も必要です。
育成には時間と手間がかかりますが、信頼と成長の循環が生まれることで、業績にも良い影響が出ます。

さらに、経営者が「学ぶ姿勢」を見せること自体が、組織全体に良い波及効果をもたらします。
たとえば、定期的な社内研修や外部セミナーの導入を経営者が主導することで、社員の意欲も向上します。

マインドセットとは、社員の背中を押す原動力であり、企業文化を形成する土台でもあります。
人材を育てたいのであれば、まずは経営者自身の思考と行動を見直すことが重要です。

テクノロジー導入に前向きなマインドが差を生む

警備業界においては、依然として「アナログな運営」が主流である会社も多く見られます。
しかし、近年では業務管理システムやGPS連携、勤怠アプリの導入など、IT技術の活用が進みつつあります。

とくに2号警備会社においては、現場ごとのスケジュール管理や隊員配置が業務効率を大きく左右します。
ここにテクノロジーを活用することで、ミスやトラブルを減らし、生産性を向上させることが可能です。

にもかかわらず、「うちは小さい会社だから」「パソコンが苦手で」といった理由で導入をためらう経営者も少なくありません。
その背景には、「変化への恐れ」や「未知への抵抗」といったマインドの壁があります。

一方で、導入に前向きな経営者は、社員の負担軽減や顧客満足の向上といった成果を着実に出しています。
つまり、テクノロジー導入の成否を分けるのは、ツールそのものではなく、経営者の姿勢なのです。

変化に挑むマインドが、業界内での競争優位を生み出します。

経営者自身の成長を止めないために必要な習慣

中小企業の経営者は、日々多忙な業務に追われがちです。
しかし、そのなかでも「自己成長の時間」を意識的に確保しているかどうかが、会社の未来を左右します。

経営者自身が学びを止めてしまうと、組織の成長も頭打ちになります。
情報収集、読書、他業種の視察、専門家との対話など、学びの方法は多様です。

また、同業他社との交流や経営セミナーへの参加も有効な手段です。
それにより、外の世界に目を向ける習慣がつき、自社の課題を客観視できるようになります。

とくにマインド面で重要なのは、「自分はまだまだ未熟である」と認める謙虚さです。
その謙虚さが、さらなる吸収と成長を可能にします。

社員に成長を求めるのであれば、経営者自身が「学び続ける背中」を見せることが最大の教育です。
経営者のマインドセットは、社風や人材力に直結するため、意識的な自己研鑽が求められます。

警備会社の未来を切り拓くマインドセットとは

では、2号警備会社がこれからの時代を生き抜くために必要なマインドセットとは何でしょうか。
それは、「変化を受け入れ、常に挑戦し続ける姿勢」であると断言できます。

変化を拒むことは、時代に取り残されることを意味します。
たとえば、採用難の時代だからこそ、他社とは違うアプローチや仕掛けが求められます。

また、顧客が求めるサービスも日々進化しており、従来の「警備=立哨」だけでは対応しきれません。
だからこそ、マインドセットを柔軟に保ち、「今できること」と「これから必要なこと」を常に見直す視点が必要です。

社員を信じ、任せ、育て、仕組みを整え、仕掛ける経営が求められています。
そのすべての原点にあるのが、経営者のマインドセットです。

固定観念にとらわれず、未来志向で経営を見直す意識こそが、会社の成長と継続を支える土台となります。

結論・まとめ

2号警備業を展開する中小企業にとって、厳しい時代を生き抜くための最も重要な要素は、「経営者のマインドセット」です。
採用難、定着率低下、営業の停滞など、さまざまな課題の根本には、経営者の思考と姿勢が大きく関わっています。

現場重視の運営から戦略的経営への転換、理念経営の見直し、人材育成への投資、テクノロジー導入への挑戦――
これらはすべて、経営者のマインドが変わることで実現可能になります。

また、経営者自身の学びや自己成長が、組織文化や社員意識に強く影響することも忘れてはなりません。
マインドセットを変えることは、簡単ではありませんが、会社の未来を変える第一歩です。

最後に申し上げたいのは、「変化を恐れず、行動する経営者こそが、未来の勝者になる」ということです。
このコラムが、貴社の未来創造に向けたマインド転換の一助となれば幸いです。

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