警備業における「価格競争」から脱却する方法とは?

2025年8月27日配信

カテゴリ:
DX 営業 警備業界

株式会社船井総合研究所(船井総研)警備ビルメンテナンス経営研究会です。警備業界では低価格競争が激化し、中小企業の経営に大きな負担となっています。本コラム記事では、主に中小警備会社が価格競争から脱却するための戦略や人材育成、サービス品質向上、DX活用の手法を詳しく解説しています。この機会にぜひご覧ください。

警備業界が直面する価格競争の現状と課題

警備業界は全国的に需要が安定している一方、公共工事や建設現場における交通誘導警備、施設警備などで価格競争が激化しています。特に入札方式による案件では「最低価格での受注」が常態化し、結果として業務の質や人材確保に悪影響を及ぼしています。

さらに、中小企業庁の定義によれば、警備業を営む多くの事業者は従業員300人以下の中小企業に該当します。そのため、大手に比べて資本力や人材確保の面で制約が大きく、価格競争が長期的な経営リスクにつながりやすいのです。

このような環境下では、単に「安さ」を武器にした営業は持続可能な経営につながらず、むしろ収益性を圧迫します。したがって、中小警備会社は価格以外の競争軸を見出し、差別化を進める必要があります。

低価格受注が経営や業績に及ぼす影響とは

低価格受注は短期的には案件獲得につながるものの、長期的には業績や経営基盤に深刻な影響を与えます。収益性の低下は人材への投資余力を奪い、結果として教育・育成が不十分となり、サービス品質の低下を招きます。

また、警備員の賃金が抑制されることで離職率が高まり、人材不足が慢性化する悪循環に陥ります。業界全体でも「低賃金」「不安定な仕事」というイメージが強まれば、若手人材の採用はさらに困難になります。

経営者にとって重要なのは「単価を下げて案件を増やすこと」ではなく、「適正価格で継続的に利益を確保できるビジネスモデル」を築くことです。これが中小企業の業績安定と持続可能性の鍵となります。

価格競争に依存しない経営戦略を構築する重要性

価格競争から脱却するためには、経営戦略の再構築が必要です。顧客に「価格以上の価値」を感じてもらえる仕組みを作り上げることが最優先となります。

第一に、自社の強みを明確にし、それを顧客に伝えるブランディングが欠かせません。例えば「地域密着型」「高齢者や女性が安心して働ける職場」「緊急対応に強いチーム体制」などは差別化要素になり得ます。

第二に、警備会社自身が価格以外の評価基準を提示することです。安全性向上の実績、教育研修の充実度、顧客満足度調査の結果などを積極的に示すことで、発注者は単なる価格比較から脱却しやすくなります。

このように「価値基準を価格以外に移すこと」が中小警備会社にとって極めて重要です。

警備会社に必要な差別化要因の明確化方法

差別化を実現するには、まず「競合他社にはない強み」を整理することが必要です。警備業界では以下のような観点で差別化を検討できます。

  1. 人材力:教育制度や研修体系の充実度

  2. 対応力:急な要請やトラブルに迅速に応えられるか

  3. 専門性:特定分野(交通誘導、イベント警備、施設常駐警備など)に特化

  4. 地域性:地元の特性やニーズに深く精通しているか

これらの要素を「見える化」し、提案書や営業活動に反映させることで、顧客に「この会社だから任せたい」と思わせることができます。

また、差別化要因は単発ではなく、組織全体で継続的に取り組むことで効果を発揮します。

人材の教育・育成が価格競争脱却に果たす役割

警備業務の品質は、現場で働く警備員のスキルとモチベーションに大きく左右されます。教育・育成に投資することは、価格競争脱却の重要な武器となります。

例えば、基本的な警備知識に加えて、接遇マナーやコミュニケーション能力を育成すれば、顧客満足度が向上します。これにより顧客からの信頼が厚くなり、価格よりも「安心感」「信頼感」で契約が決まるケースが増えます。

さらに、キャリア形成を意識した教育制度は離職率低下にもつながります。従業員が成長を実感できる環境を整えることは、人材の定着とサービス品質の維持に直結します。

顧客は「安心・安全」だけでなく、「誠実な対応」「柔軟なサービス」にも価値を感じます。警備会社がサービス品質を高めるためには以下の取り組みが有効です。

  1. 定期的な顧客アンケートを実施し改善点を把握

  2. クレーム対応を迅速かつ丁寧に行い信頼を確保

  3. 警備員の接遇マナーを徹底し顧客からの印象を改善

こうした品質向上策は顧客満足度の向上だけでなく、口コミや紹介による新規契約の拡大にもつながります。結果として価格ではなく「信頼」で選ばれる会社になれるのです。

デジタル化・DX推進による生産性改善と競争力強化

近年、警備業界でもデジタル化やDXが注目されています。巡回警備におけるAIカメラの導入や、勤怠管理システムの効率化は、生産性を大幅に改善します。

例えば、警備員の配置をAIで最適化すれば、必要最低限の人員で高い安全水準を確保できます。これにより人件費削減と品質維持の両立が可能となり、低価格競争に巻き込まれずに済みます。

また、DXの推進は「最新技術を導入する先進的な警備会社」というブランド価値を高め、発注者からの信頼獲得にもつながります。

価格競争から脱却するためには、自社の魅力を広く伝える広報活動が欠かせません。ホームページのSEO対策や地域メディアとの連携はもちろん、近年ではSNSを通じた情報発信も効果的です。

特に、警備員の教育風景や地域貢献活動を発信することで「誠実で信頼できる会社」というブランドイメージを構築できます。これにより顧客は単なる価格比較ではなく、企業の姿勢や信頼性で判断するようになります。

営業活動においても、価格ではなく「安心・安全を守る姿勢」を前面に出した提案が有効です。

中小規模の警備会社に求められる持続可能な収益モデル

中小企業が安定して経営を続けるには、価格に依存しない収益モデルが必要です。例えば、長期契約を前提とした施設警備、リピーター顧客との信頼関係構築、追加サービスの提供などが考えられます。

さらに、少人数でも高付加価値を生むビジネスモデルを確立すれば、経営は安定します。例えば「巡回と設備点検を組み合わせたパッケージサービス」や「高齢者施設向け安心サポート」など、付加価値型サービスは顧客から高く評価されやすいのです。

実際に教育制度やDXを積極的に導入した中小警備会社は、価格競争から距離を置きつつ業績を伸ばしています。特定分野に特化した専門警備を打ち出し、単価の高い案件を獲得している事例もあります。

今後は、AIやIoTの進展により、警備業の役割はさらに広がります。中小企業がいち早く新しい取り組みを導入し、自社の強みと組み合わせていくことが、価格競争脱却のカギとなるでしょう。

結論・まとめ

警備業界における価格競争は、中小企業の経営や業績に深刻な影響を与えています。しかし、価格に依存せず「人材教育」「サービス品質」「DX推進」「ブランド力強化」に注力することで、持続可能な経営モデルを構築することが可能です。

経営者は「安さで選ばれる会社」ではなく「信頼で選ばれる会社」へと転換を図る必要があります。そのためには短期的な利益追求ではなく、中長期的な視点での人材投資と価値創造が求められます。

結果として、中小警備会社は地域社会から信頼される存在となり、価格競争に巻き込まれない安定した経営基盤を確立できるのです。

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